前回、大人が日々の生活のために「割り切ってがんばる」ことの尊さと、だからこそ一日の終わりには心身をシステムの外へと連れ出して、調和を取り戻す「ほどきの時間」が大切なのだというお話をしました。
けれど、この「知性を優先して、身体のセンサーを無視し続けるオーバーヒート」は、決して大人だけの問題ではありません。
私には、自分で子どもを育てた経験はありません。日々、子育ての現場で切実な現実に直面し、葛藤されている親御さんたちの大変さを、本当の意味で知っているとは言えないかもしれません。
ですが、日々のセッションの中で、お子さんたちの「身体」に触れさせていただく中で、いつもハッとさせられることがあります。
それは、大人たちが社会のシステムの中で戦ってすり減っているのと同じように、いま、子どもたちの小さな身体もまた、緊張を抱えて戦っている、という動かせない事実です。
園での集団生活、学校、塾や習い事、友達同士の空気感、そしてデジタルから溢れる膨大な情報。子どもたちは彼らなりの社会の中で、周りの期待に応えようと頭をフル回転させ、健気に自分の生きたセンサー(本能や感情)をオフにして「割り切って」がんばっているのです。
心が弱いのではなく、身体のセンサーが鳴らす「守りの声」
大人であれば「最近ちょっと外のシステムに疲れたな」と言語化して自覚することができますが、子どもたちはそうはいきません。頭(知性)でどれだけ「がんばらなきゃ」と自分を納得させていても、彼らの身体のセンサーは、嘘をつけずに、正直にその重圧をキャッチし続けています。
「登園や登校の前になると、お腹や頭が痛くなる」
「朝、どうしても起き上がれない」
「家に帰ってきた途端、理由もなくイライラして暴れる、あるいは無気力になる」
「(小さなお子さんなら)激しい癇癪や夜泣きが続く」
こうしたサインに出会ったとき、子育ての渦中にいると、つい『心が弱いんじゃないか』『わがままを言っているんじゃないか』と、知性の理屈で悩んでしまうこともあると思います。
ですが、身体(神経系)の視点から見ると、それは心が弱いからでも、怠けているからでもありません。外のルールに適応するために張り詰め続けざるを得なかった緊張に対して、身体のセンサーが「これ以上は危険だよ」と必死に身を縮めた、健気な守りの姿勢(サイン)なのです。言葉にならない、身体の切実な訴えなのだと思います。
正論の力をお休みして、戦いの場から「お迎えにいく」
身体に触れる者として言えるのは、外から帰ってきたお子さんは、それぞれの戦場で精一杯過ごしてきたばかりの小さな戦士だということです。
だからこそ、もし子どもたちが外の社会で「割り切ってがんばる時間」を過ごしてきたのなら、お家に帰ってきたときくらい、その重たい鎧をそっと脱がせてあげませんか。
そこで必要なのは、「明日のためにがんばりなさい」という正論の力ではなく、がんばってくれた心身を温かく迎え入れる『ここはもう安全なんだ』とホッとできるような、静かな時間やぬくもり(安心のブレーキ)なのかもしれません。
あれこれと問い詰めたり励ましたりするのをお休みして、スマホの画面を伏せ、ただその子の存在に意識を向けてみる。ただ子どもの話に耳を傾けてみる。温かいお風呂やご飯を用意して、今日一日を乗り切った小さな背中、あるいはもう大きくなった背中に触れてみる。
それは、子どもの張り詰めた神経系を、外の過酷な速度からそっと外していく時間です。
がんばらせっぱなしにしない、そのままの場所
「がんばらせっぱなしにしない労い」という満ち引きは、子どもにとっても同じです。
お家が、社会のルールにその子の本来の輝きまで絡め取られないための、そのままの自分でいられる場所になれば、子どもは安心を感じて、受けた疲れを自らの力で癒していくことができると思います。そうすれば、誰に言われずとも、また自分自身の真ん中へと戻ってくることができるのだと思うのです。
生きるために外で必死に割り切るお子さんも、その裏でサインを出してくれている健気な身体も、どちらも愛おしい、かけがえのない命です。そして、我が子を想って日々悩み、葛藤している親御さん、あなた自身もまた、十分にがんばっています。
日々を懸命に生きるあなたとお子さんのすべてが、今日も静かに守られ、平和の中に還っていけますように。
鎧を脱ぎ、本来の伸びやかな心地よさへと還る
きらきらのセッションでお手伝いしているのも、まさにこの「社会の枠組みから一度抜け出し、本来の自分へと還るための調律」です。
あまりにも長く戦い続けて、自力では鎧の脱ぎ方が分からなくなってしまったお子さんの神経系の緊張をほどき、本来の伸びやかな心地よさへと還っていく調律の時間を、ご用意しています。
子どもたちの身体はとても瑞々しく素直なので、神経系が「もうここは安全なんだ」と安心を思い出すと、驚くほど軽やかに自分の羅針盤を取り戻していきます。
今日、あなたの大切なお子さんは、どんな荒波を小さな身体で越えて帰ってきましたか?
眠りに入るその前に、がんばった小さな相棒をそっと抱きしめて、外のルールから自由になる安心のぬくもりを、親子で一緒に味わってみませんか。
きらきら
今日から始める、身体とのあなた自身との新しい対話。
日々の忙しさの中で、もしあなたが「自分という存在の根っこ」を見失いそうになったら。
外側の正解に合わせるのではなく、あなただけの「心地よい感覚」を一緒に探してみませんか?
富士山の麓、静岡県富士宮市大岩にて、身体と心を丸ごと捉え、本来の健やかさに還るためのセッションをお届けしています。
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