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火山と祈り。湯煙の向こうにみえる恩恵と、足元へ還る旅

先日の、志賀高原の旅。霧雨に包まれた静寂の中から、
私たちは草津白根山を経由して、車を走らせていきました。

標高が下がるにつれ、窓の外の景色が一変します。
もくもくと白煙が立ち上る、荒々しくも美しい火山の風景。

火山活動の活発さゆえに、今は立ち入れない場所もあります。
その景色に触れたとき、私の内側に湧き上がったのは、
地球の奥深くにある大いなる力への「畏怖」そのものでした。


私たちは、生きている地球の上に立っている。
そのダイナミックな鼓動を肌で感じながら、草津の町へとたどり着きました。

道の駅にある記念館へと足を運び、この地を世界に広めたベルツ博士の足跡に
初めて触れる機会がありました。

明治初期に来日し、内科や生理学だけではなく
日本で精神医学を初めて教えた伝えたドイツ人医学者、ベルツ博士。

彼は温泉の医療効果を世界に広めた人物なのだそう。
温泉の湧出量・泉質・山の空気のどれをとっても「世界最高峰の天然の治療場」と草津を絶賛し、
豊かな自然、多様な温泉、優れた景観を活かして、人々が心身を調えるための「理想的な近代型リゾート(予防医療の拠点)」を箱根に作ろうと試みたそうです。
気候や環境の医学的見地から葉山の御用邸の場所の選定にも深く関わっていたそう。

近代医学を教えながらも、薬に頼る医療だけではなく、大自然の力を借りて心身を調える。

この方の予防医療の思想は、私がカイロプラクティックやネイチャーリトリートを通して大切にしている、身体・心・意識・魂を包括して、内なる自然(自然治癒力)を呼び覚ますインナーワークの思想と、時を超えて深く重なり合いました。

(おまけ:日本を深く愛し、日本人の女性と結婚した彼が、我が子の、そして日本人の赤ちゃんの地肌にある青あざを「蒙古斑」と命名した張本人なのだという驚きの事実も知りました。)

湯畑へと続く道。
足湯に浸かりながら、強酸性の熱いお湯の中でたくましく生きる「イデユコゴメ」という小さな生命の存在を知りました。
間にとっては立ち入れないほどの過酷な環境をも、生命のゆりかごにしてしまう。地球の、圧倒的な神秘。

そして辿り着いた湯畑から、最初に浸かった「煮川の湯」の、湧き立ての力強い熱さ。
「地蔵の湯」での顔浴で目を労って。そして、「翁の湯」のじんわりと満ちていく温もり。

町の中にぽつりぽつりと佇む共同浴場の湯船で、地元の方とお話しをする機会がありました。
その対話の中で、壁に掲げられていた「草津町民憲章」の言葉の意味を、深く、深く知ることになります。

“歩み入る者に やすらぎを
去りゆく人に しあわせを”

このこんこんと湧き出る豊富な温泉を護るために、地元の方々がそれぞれに維持費の負担をして支えてくださっていること。それなのに、私たち観光客には「入っていってくださいね」と、どこまでも寛容に、優しくお湯を分かち合ってくれること

その陰にあるおもてなしの心に触れたとき、
ただ「無料で入れるから」ではなく、守られてきたお湯と人への、感謝が湧き上がりました。

そこから、湯畑を見下ろす高台に佇む「光泉寺」を見つけて、ふらりと立ち寄りました。 
奈良時代の昔、高僧・行基菩薩がこの地で眼下に「光る泉」を見出したのが、このお寺の始まりなのだそう。それがただの泉ではなく万病に効く温泉であることを喜び、薬師如来を祀ったという伝承が残されています。
境内にある湯浴み弁財天の池は、その始まりの記憶にちなんで「慈悲の泉」と名付けられていました。

まさに草津温泉の「祈りの源流」とも言えるその場所に立ち、静潔な空気に包まれていると、町民の方々のおもてなしの心や、大いなる火山のエネルギーが、すべてこの場所の祈りと優しく溶け合っているのを感じます。

参拝のあと、近くのカフェで一息つき、車に戻る頃には、私の心も身体も地球のエネルギーと人の優しさ、長きにわたり受け継がれてきた静かな祈りで満たされていました。

─── さて、旅を終えて、富士山の帰り道。

ふらりと立ち寄った地元の温泉「花の湯」。
手渡されたロッカーの鍵を見ると、そこには「2236(フジサンロク)」の文字。
その小さなサプライズが、草津での壮大な旅の記憶と、今ここにある日常を静かに繋いでくれました。

遠くのダイナミックな火山の湯も、すぐ足元に湧き出る静かな炭酸泉も、
すべては地球がくれた、限りある大切な資源。

解き放たれた大自然の熱も、身近にたたえられた静かな癒やしも、
すべては一つに繋がっている。


そしてそれを守り、分かち合ってきた人々の祈りと、優しさ。
時に厳しく、時に優しく、
私たちはいつも、大自然の大きな営みと共に生きている。

地球が長い時間をかけて育んでくれた、温もり。
その大いなる力への敬意と、絶え間ない感謝。

この恵みが、これからもずっと、未来へと優しく湧き続けますように。

カイロプラクティック&ヒーリング きらきら
富士山の麓、静岡県富士宮市大岩にて、身体と心を丸ごと捉え、本来の健やかさに還るためのセッションをお届けしています。

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