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ホントは何を望んでいるのか ー「耳をすます」という日常の実験から

私が日頃のセッションでお伝えしているのは、できるだけ「ニュートラル」な状態でいること「ゆったり、穏やか」に過ごすことのすすめです。 

穏やかでいることは、心の声を「掴む」ための土壌

けれど、今の私だからこそあえてこれをお勧めしたいのです。なぜ内側を穏やかに保つのか?それは自分が「ホントは何を望んでいるのか」という心にある声を、ようやく掴めるようになるからです。 頭が忙しく動き回っているとき、私たちの意識は情報の表面だけを滑り、本当に大切なことを後回しにしてしまいがちです。 

たとえば、「食事」という日常のひとコマを想像してみてください。

お腹が空いたとき、あなたはどちらのパターンに近いでしょうか。

パターンA:効率重視の食事
「早く済ませなきゃ」と、ただ空腹という穴を埋めるように食べる。必要以上に詰め込んでしまったり、食べたはずなのにどこか満たされない感覚が残ったりしていませんか。

パターンB:対話する食事
「今、何を食べたい?」と、身体の要求を感じてから選んでみる。すると、少しの量で満足できたり、内側から満たされる幸福感があったりするものです。 

以前の私は、典型的な「パターンA」でした。常に効率を追い求め、菓子パンやお菓子をちょこちょこつまんでは、いつもどこか満たされないといった具合です。 

生活の柱である「食」がそんな状態でしたから、「あなたはどうしたい?」という問いかけにも答えに詰まり、「んー、わからない。とりあえず……とか、なんでもいいかな……」と自分を投げ出していました。でも、自分をないがしろにしたままでは、生活のあちこちで「うまくいかないこと」が積み重なっていったのです。 

自分が本当に望むものを知るためには、静かな内面という「土壌」が必要なのだと学び、今も私はその実践の途中にいます。

自分を縛っていた「見えないルール」

なぜ、私は自分を後回しにしていたのでしょうか。振り返ってみると、私の中に一つのルールがありました。それは、「自分の欲求は、控えめにするのが正しい」というものです。 

自分の願いよりも周りの調和を優先すること。自分が欲しいものより、波風が立たないものを選ぶこと。それが「大人であること」や「優しさ」だと思っていました。今でもまだあります。

そうやって自分の声を抑え、このルールを守り続けてきた結果、待っていたのは「自分が何を感じているのかが、完全に分からなくなる」ということでした。 

「内なる本音」に許可を出す練習

自分の望みに耳をすまそうとするとき、ふと「これはわがままではないか」とブレーキがかかることがあります。「たとえ独りよがりな願いに見えても、自分の声を聴く」と自分に許可を出すことは、私にとって、長年自分を縛り付けてきた檻(おり)の扉をそっと開けるような、勇気のいる一歩でした。 

まずは、自分だけの小さな世界から始めていきました。

湧き上がった欲求に対して、「あぁ、私は今、こう願っているんだな」と、ただ認めることを繰り返しました。それは技術の習得ではなく、自分を縛っていたルールを一つひとつ解いていく作業です。自分の声を「良い・悪い」と選別することなしに。 

「今は、この味がいい」「今は一人でいたい」

そんな小さな心のつぶやきであっても、まずは丁寧に聴いて、応えてあげる。自分という器が満たされて初めて、自然と周囲への優しさや調和が溢れ出していくものなのだと、今は感じています。

「耳をすます」ためのスペースを作ろう

この「実験」を繰り返していくうちに、「習慣」へと変わっていきます。そして、その習慣が、日々の自分を本来の健やかな状態へと戻していく「調整(チューニング)」の力になってくれるのだと、私は思います。 

耳をすますためには、五感(見る、聴く、嗅ぐ、味わう、触れる)を使い、丁寧に今この瞬間の感覚を味わうことが助けになると思います。そして、その感覚をジャッジせずに「私は今、こう感じているんだな」と客観的に眺めてみてください。

その「耳をすます」ためのスペースを確保するためにこそ、ニュートラルでいること、リラックスしていることが大切なのです。 

背骨の緊張をほどき、ふぅっと一息つく。あなたの内側はどんな声を上げているでしょうか。

まずは「小さな一食」から、自分に耳をすませる時間を始めてみませんか。

何を感じ、どんな風に感じているのか。どんな思いを付随して持っているのか。そのための、ニュートラルやリラックスなのです。

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