「ストレス」という言葉のルーツ
ストレスありますか?感じていらっしゃいますか?
今では日常的に使われる言葉「ストレス」医学分野で使われはじめたのは、1936年にハンス・セリエ博士が「ストレス学説」を発表したころからです。日本では戦後の1950年代末頃から社会に広まり、流行語にもなったそうです。もともとは物理学の用語で、物体に圧力をかけた時に生じる「歪み」を指していました。私たちの心や体も、外からの圧力で歪みが生じている状態をイメージすると分かりやすいかもしれません。
「ストレッサー」と「ストレス反応」の違い
まずは言葉の確認から始めましょう。
ストレッサー:こころや身体にかかる外部からの刺激
ストレス反応:それに適応しようとして生じた”心や身体の変化”
ストレッサーの3つのタイプ
●物理的ストレッサー :暑さや寒さ、騒音や混雑など
●化学的ストレッサー :温度、気圧、薬物、公害物質、酸素欠乏・過剰、一酸化炭素など
●心理・社会的ストレッサー :仕事上の問題、家庭の問題、さまざまな場面での人間関係など
私たちが「ストレス」と言っているものの多くは、この「心理・社会的ストレッサー」のことを指していることが多いのではないでしょうか。近年の夏の暑さも、ストレッサーのひとつとなっている方もいらっしゃるでしょう。また、ストレッサーとストレス反応は、一対一の関係ではなくさまざまな項目が絡み合っていると感じています。
ストレス反応の種類
𖦹心理面:活気の低下、イライラ、不安、気分の落ち込み、興味・関心の低下など
𖦹身体面:ふしぶしの痛み、頭痛、肩こり、腰痛、目の疲れ、動悸や息切れ、胃痛、食欲低下、便秘や下痢、不眠などさまざまな症状
𖦹行動面:暴飲暴食、喫煙量の増加、仕事でのミスや事故の増加など
ストレス反応は「命を守るための防衛本能」
一見すると必要のないもののように見えますが、ストレス反応は身体に備わっているもので、命を守るための仕組みのひとつなのです。
ストレッサーが出現すると、脳から自律神経を介して交感神経が活発となり、闘争か逃げるかという行動が取れる状態になります。また、左右の腎臓のあたま側にある小さな臓器の副腎からは生命維持に不可欠なホルモンを分泌しているのですが、ストレスに「対処するために」ストレスホルモンを分泌します。
それらが短期間であれば、プラスに働きますが、長期間にわたるとマイナスに。
不眠や高血圧、肥満、うつ状態…心も身体も傷つきます。ストレス反応が、私たちにとって嫌なモノだと、不要なモノだと感じてしまうのは、ひとりでに長続きしてしまうこと、そして自分では切り替えることができないほど定着してしまうからではないでしょうか。
実は、ストレッサーとストレス反応の間に、もうワンクッションあるのではないかと私は思います。それは、私たちが個人的に大切にしている『価値観』というフィルターです。
『仕事は完璧にすべき』『人には優しくあるべき』といった自分の中の正解と、目の前の現実にズレ(相違)が生じた時、心はそれを『危機』と察知して反応を起こします。
つまり、ストレス反応が出ているということは、あなたが大切にしようとしている何かがあると思うのです。
「自動操縦」の状態から抜け出すために
ストレス反応を切り替えていくには、正体を知ることから。ストレス反応の自動操縦を許してはなりません。意識的にご自分を観察することからです。
まずはわかりやすいストレス反応を見つけていくことから、そしてそのスイッチとなったもの(ストレッサー)を探求します。そして、どちらにも言えることですが、大したものではないと見過ごしていたり、見つけてもしょうがないと見てみぬふりをしたり、または確認したことがない、はもってのほかで、何らかの不調を感じているのではれば、盲点にしてしまわないことがスタート地点です。
もちろん、ストレッサーを見つけたところで、現実の環境や人間関係がすぐに変わるわけではないかもしれません。「わかってもどうしようもない」というもどかしさを感じることもあるでしょう。
しかし、正体を知ることは、荒波の中で「錨(いかり)」を下ろすようなものだと感じています。
何が起きているかわからないまま、振り回される状態から、自分の状態を把握している状態へ。
現実がすぐには変わらなくても、「私自身の感じ方や扱い方」を変える余白が生まれるのではないでしょうか。例えばですが、この暑さは物理的ストレッサーだから、消耗して当然だ。と正体を知ることで、『無理して頑張る』一択ではなく、『今は早めに休もう』ます。とか、イライラして食べすぎてしまった時、今までは『意志が弱いんだ』と自分を責めていたのが、『身体が防衛本能で一生懸命守ろうとしてくれたんだね、わたしお疲れ様』と、自分をいたわる。この小さな「余白」こそが、自分を大切にするための確かな一歩になるのではないでしょうか。
心・技・体 を総動員して、穏やかな自分へ
まずは知ること、発見すること。そうすることで穏やかな感情へ。
呼吸法や適度な運動、良質な睡眠と共に身体の反応も穏やかに。
穏やかに行動を変化させ、柔らかな考え方へ。
このように心技体を総動員していくことで、ストレス反応が軽くなるように、また勝手にスイッチが入らないように変容させていくことができると思います。
一人で抱え込まず、一緒に眺めてみませんか
一人では難しい時、日常の細やかなシーンを共有しながら、自分が無意識に反応している状況を丁寧に観察することをきらきらではお供いたします。そして、それを変化させていくお手伝いをいたしています。
頑張ってきた、自分自身をあたたかな眼差しで眺め、よくやってきたね!と言えるように。あなたの歩みに、そっと寄り添わせてください。




