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ぎっくり腰は身体がかけた強制ブレーキ。痛みの出にくい「座り姿勢」のコツ

ある日突然、何気ない日常の動作をした瞬間に腰を襲う、激しい痛み。
「これから仕事があるのに」「動けないと困るのに」と、頭のなかは焦りや不安、そして「早くこの痛みをなんとかして消し去りたい」という思いでいっぱいになってしまうこと、本当によくわかります。
日々、「きらきら」の現場で皆様のお身体に触れているなかでも、このような切実な状況に出会うことがあります。
立ち上がるのも一歩を踏み出すのも恐ろしいほどの痛みのなか、どうしても避けられないのが「座る」という動作です。そこでまずは、身体への負担を少しでも和らげるための、痛みの出にくい座り姿勢のコツをシェアします。

ポイントは、「骨盤を寝かせず、まっすぐ垂直に立てること」です。

腰が痛いからといって、背中を丸めてソファなどにもたれかかって座ってしまうと、骨盤が後ろに倒れ、腰のまわりが引っ張られて痛みが起こりやすくなります。
座るときは少し硬めの椅子を選び、お尻の底にある「坐骨(ざこつ)」という骨が椅子の面にまっすぐ突き刺さるようなイメージで、骨盤を立ててみてください。これだけで、腰の筋肉の無駄な緊張がフッと抜けるのが分かります。
一番身近な場面でいえば、トイレで座る時、そして立ち上がる時などにこの「骨盤を立てる」ということを意識できるだけでも、身体への負担は少なくなります。
立ち上がるときは、いきなり上体を起こそうとするのではなく、一度足の裏全体でしっかりと床(大地)を踏みしめ、まっすぐ上に、お尻を持ち上げるようにして立つと、腰の負担を優しく抑えることができます。

急性期こそ、寝たきりにならないこと

激しい痛みの直後(急性期)に、何より大切にしていただきたいことがあります。それは、「恐怖から寝たきりになってしまわないこと」です。
痛いからといってずっとベッドで寝たきりになってしまうと、身体のセーフティ機能が働きすぎてしまい、かえって筋肉が強張り、余計に動けなくなってしまいやすいのです。
身体を起こして、日常の動作を「ゆっくり、ゆっくり」する。
お仕事は可能であれば思い切ってお休みをいただき、気を休める。そして、横になり続けるのではなく、お家の中でできることを少しずつ、動かせる範囲でそっと動きながら過ごしてみてください。その際も、常に「骨盤を立てるような意識」でいることができると、脳が痛みを強く感じずに済むようになります。

胃腸をいたわり、痛みの「閾値」を上げる

さらに、このときは「食べるもの」にも少しだけ意識を向けてみてください。
暴飲暴食は避け、できれば胃腸に優しい消化の良いものを食べること。実は、内臓の疲れと腰の筋肉の緊張は、神経のルートを介して深く繋がっています。胃腸に負担がかかると、腰の筋肉まで反射的に硬くなってしまうのです。
また、極端な空腹(低血糖)を作らないことも、脳が痛みを感じる基準を上げて、痛みを強く感じにくくするためにとても大切です。
お家の中でできる小さな日常の営みを、身体の隅々までいたわりながら少しずつやっていく。それ自体が、身体の回復スピードを早めるための、最も大切なセルフケアになるのです。

身体が起こした、ストライキ

ここまでは、今すぐ痛みを凌ぎ、お家で回復へ向かうための「外側の対処法」です。でも、私が日々施術という場を通じて皆様の身体に触れながら、本当にお伝えしたいのは、その先にあるお話です。

そもそも、なぜぎっくり腰という強烈な事態が、いま貴方の身体に起きたのでしょうか。
私たちは「ある日突然、不運にも強烈な痛みに襲われた」と思いがちです。でも本当は、そうではないのではと私は思うのです。

この強烈なブレーキがかかる前に、貴方の身体は、何度も何度も小さな声でサインを送ってくれていたはずなのです。なんとなく身体が重い、朝起きるときに腰がこわばる、靴下を履くときにいつもと違う張りがある、呼吸が浅くなっている……。
それらはすべて、「もう限界が近いよ」「少しスピードを落として」という、貴方の身体からの切実なメッセージ(声)です。
しかし、現代の忙しない社会で生きる私たちは、つい「これくらい大丈夫」「休んではいけない」と、外側の優秀な物差しに自分を合わせ、思考の力でその小さな声を無視し、コントロールしようとしてしまいます。
そうして声を無視され続け、本当に限界を迎えた貴方の命を守るために、貴方の内なる自然治癒力(イネイト・インテリジェンス)が、最後の手段として強引にガツンとかけたもの。それこそが、ぎっくり腰という名の「強制ブレーキ」であり、身体が起こした「ストライキ」なのです。動けなくすることで、これ以上の決定的な破壊から、貴方を守ろうとしてくれている。

内側の調和を信頼する

では、どうしたらよいのか。
痛みを強引にコントロールしようとするのを、少しだけ手放してみる。
「これまで小さな声を無視して、無理をさせてごめんなさい」と、今この瞬間の、ゆらいでいるご自身の身体の声に、ただ静かに耳を澄ませてみる。
骨盤をまっすぐ立て、足の裏で床を踏みしめるというお伝えした動作も、単なる技術ではありません。外側のノイズから意識を引き戻し、ご自身の身体の生命力をもう一度深く信頼するための、小さな儀式です。深く祈る時、手を合わせるように。
現代社会の中で知らず知らずのうちに強張ってしまった私たちが、ただの自然の一部である、生身の温かい「人間」に戻っていくこと。外側の正解を付け足すのをやめて、ご自身の内側にある調和の力を信じて、ゆっくりと心身を休ませてあげてください。

今まさに激しい痛みのなかにいるときは、「とにかく少しでもこの痛みを楽にしてほしい」と願うのは、本当に自然で切実なことです。当サロン(きらきら)では、そのお辛い状況に優しく寄り添い、まずは痛みの出ているお身体の緊張がそっと緩むよう、丁寧にセッション(施術)をお届けしています。
同時に、その痛みをただの不調として消し去って終わりにするのではなく、貴方の身体が伝えてくれた「ストライキの声」を、これからどうやって一緒に聴いていくか、というその先の歩みも同じように大切に考えています。

皆様の足元が、今日も揺るぎない安心感で満たされていますように。今日も美しい1日をお過ごしください。

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