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伊豆の稜線に没入する ─ 地球の鼓動と共鳴して内側を満たし、本来のリズムを取り戻す

朝夕はしっかりと冷えますが、日中は暖かさを感じる日がありますね。冬の晴れた日は、低山歩きへを楽しめる季節です。
今回、私が歩いてきたのは伊豆の達磨山(だるまやま)の稜線です。

駿河湾を一望する、始まりの展望台 

修善寺から虹の郷を抜けて、だるま山高原レストハウスへ。ここからの眺望も見事なところです。手前に湾が見え、そこは駿河湾の最も奥まったところ。淡島(あわしま)や三津島(みつしま)の向こうに沼津アルプス、さらに奥に箱根の山々、そして富士山が見えます。この重なり合う景色の中に自分がここに立っているんだなという実感がじわじわと身体に満ちてきます。

足裏に伝わる優しさ、雲が生まれる金冠山  

まずは金冠山(きんかんざん)へと向かいました。山道は芝生が伸びてゴルフコースのよう。とても整備されて、足裏に伝わる感覚が優しく歩きやすい。
30~40分ほどで山頂へ辿り着きた時、ここでの眺望は雲に遮られてしまい、足元の湾のあたりだけ見えていました。駿河湾を渡ってきた風が雲を作って上昇するのがよくわかりました。
そこから元来た道を少し戻り、分岐を戸田峠(へだとうげ)へ降りていきます。戸田峠にも駐車場があるので、ここを拠点にするのも良いですね。戸田峠からなら金冠山の山頂までは30分以内ほどで行けるのではないでしょうか。

「今の自分」に戻る、枝のトンネル 

戸田峠からは、小達磨(こだるま)山を登ります。
冬の山歩きの好きなところは、葉を落とした木々の葉の枝のトンネルが美しく見えるところです。視界を遮るものが少なく、枝の間から遠くの景色が透けて見えます。この先に続く木の階段も見えてきます。場所によっては開けたところもあり、戸田の街と港が小さく見えます。海からの風を感じ、駿河湾の向こうには日本平がよく見えました。
少し汗ばみながら木の階段を登っていくと、自分の呼吸、心臓の鼓動、足にかかる力、土を踏む感触。意識が「頭の中の考え事」から「今の自分の身体」へと、自然に戻ってきます。 

空へと続く階段、心身を動かす心地よさ 

小達磨山(こだるまやま)の山頂の標識。展望はないのですが反対側へ下ると達磨山が見えてきます。
いったん西伊豆スカイラインに出て、100mくらい進むといよいよ達磨山の山頂に向けた最後の登り。笹原の間を一直線に貫く階段が、空へと続いているようです。
高度が増すにつれ、何度も足を止め呼吸を整えながら、さらに開けていく展望を楽しむ。日差しが暖かく、じんわり汗ばむ感覚。登山としては短い距離ですが、自分の身体を動かして高いところへ行く、というシンプルな行為が心地よく感じられます。 

雑念を吹き飛ばす爆風と、360度の解放 

そして辿り着いた山頂は……、360度の大展望、と爆風!
カメラを構えるのも必死なほどの強風ですが、その風がすべての雑念を吹き飛ばしてくれるかのようです。
駿河湾越しに愛鷹山と富士山、その左手には、南アルプスの山並みが雪を被って見え、朝霧高原の毛無山、富士山の左手には、裾野御殿場のなだらかな稜線の奥に御坂、道志、丹沢山地、右手に箱根の山。駿河湾の手前には歩いてきた金冠山と小達磨山が見えます。西の方は沼津ー富士ー清水ー御前崎の方までたおやかな稜線が続き、波たつ海が綺麗でした。 

数千万年の物語と、ささやかな自分を知る  

目の前に連なる葛城山などの山々は、かつて南の海に浮かんでいた火山島だった頃の痕跡が隆起したもので、長い時間をかけて北上し本州へと衝突。その衝突の力が丹沢山地を突き上げ、さらにその後も激しい噴火を繰り返すことで島々は一つに繋がり、今の伊豆半島という形が作られたそうです。 
そしてその歩みは今も続いていて、伊豆半島はフィリピン海プレートに乗って年間におよそ数cmという速さで本州を押し続けています。(修善寺にあるジオリアでは、壮大な大地の物語を映像で見ることができます。おすすめです。)
地球の壮大なジオの物語が、私の日々の葛藤をささやかなものに感じさせてくれます。
笹で風を除けながら大きな石を背にして座り、温かい飲み物とおやつとともに降り注ぐ太陽の日差しを満喫しながら小休止。何もしない、ただ絶景の中に居るという時間。

景色と調和するリズム、予期せぬ出会いを楽しむ 

帰路は富士山に向かいながらの稜線歩き。段差が大きい階段もスイスイ降りれてしまうのも不思議です。余計な力みが抜け、景色と自分のリズムが調和したような軽やかさ。
車をとめたレストハウスでお昼を食べようとラストオーダーに間に合うようにとサクサク歩き、予定より随分早く戻ってこれました。ところが、戻ってみたら定休日だったことに気がつくという(笑)「あぁどうしよう!」と思いましたが、それもまた面白がって。立ち寄ったお蕎麦屋さんがとても良かったので、大満足でした。
帰路の途中で千本浜海岸へ寄り、駿河湾に夕日が沈む光景を眺めることもできました。 

自然と共鳴し、本来の生命のリズムを愛おしむ  

山を歩き、風に吹かれ、美味しいものを食べて、夕日を眺める。
ただそれだけのことですが、自分という器で自然の中に没入することで、内側のエネルギーが再び満たされて、調整されていくのを感じました。 
私が富士山の麓でのリトリートをご案内するのは、こうした「自然との共鳴」こそが、自分を愛おしむためのパワフルな道だと感じているからです。 
日常の中で知らず知らずのうちに固まってしまった心や身体を、自分の力だけで解きほぐすのは簡単ではありません。けれど、圧倒的な富士山の佇まいや、何百万年もかけて動き続けている大地のエネルギー、そしてただそこにある風や水や光に身を委ねてみると、不思議と「自分のままでいいんだ」という許可が、内側から自然に湧いてくる瞬間があります。 
特別な「すごさ」なんて、いりません。
ただ、健やかにこの世界の一部として呼吸すること。その清々しさを、富士山の麓という場所で、皆さんと共に分かち合いたいと願っています。 
外の音を少しだけ遠ざけて、あなたというかけがえのない生命のリズムを、優しく愛おしんでいきましょう。

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